企業訪問報告書
山一自販株式会社(沓沢隆行 東部支部前支部長)
参加者…小川・石井・加藤・上西・越野・小島・島袋・鶴岡・戸賀崎・中島・中村・藤井・黒田(順不同)
2024年度・広報委員会最初の企業訪問は、東部支部において40~41期の支部長を務められ、今年も副支部長として新支部長と会社づくり委員会を支える沓沢隆行氏の山一自販株式会社にお邪魔いたしました。参加者が越谷駅に集合してのち、車2台に分乗して会社所在地に向かったのですが、帰宅時間帯に雨が重なり越谷駅周辺は想像以上の大渋滞。「たしか1年前に自分が記事書いた企業訪問の時も車が混んでたなぁ」などという思いが頭をよぎったりしましたが、何とかそれほど大きく遅れることなく会社に着くことができました。
まずは沓沢氏より、会社概要について説明を頂きました。山一自販は沓沢氏の御父上が1984年に創業された会社で、新車・中古車の販売をはじめ、買取・車検・修理・自動車保険等、車に関することは一通り対応されておられます。現在社員は7名で、売り上げは順調に推移しており、年間3千台近くの車をお取り扱いしているとのことです。
創業当時、沓沢氏はまだ中学生でしたが、それでもその頃から洗車や店番など会社の仕事はやらされていたそうです。社会に出て、大手自動車会社に5年間勤めた後98年に山一自販株式会社に入社したのですが、その頃会社は経営状態が厳しく、入社後弟さんと分担して仕事をするようになり、この頃インターネットのオークションを利用した車の取引を始めたとのこと。その後数年で黒字化を達成することができたのですが、東日本大震災の折にはちょっとした特需があったりしたものの、経営は波のある状態が続いていたそうです。オークションによってさばける車の台数は飛躍的に増えたものの、手数料もまとまるとばかにならない金額になるなど、経費はかかり過ぎともいえる状態だったそうで、効率化のため余剰社員の整理なども行ったとか。「しんどかった」と沓沢氏は仰っていました。
次に話は事業承継に進みました。御父上は「昭和の経営者」といった感じで、沓沢氏との折り合いはよくなかったそうです。会社についていろいろ変えてほしいと頼んでも「お前が社長になってからやれ、それまでは我慢しろ」と言われたとのことで、客先・銀行等への根回しや業績のいい時に代表者保証を外すなど、沓沢氏がいろいろ主導した結果うまく事業承継を進めることができたそうです。その後2022年に晴れて山一自販の社長に就任しましたが、社長になってもやることは変わらず責任だけ重くなったという感覚だとか。
「起業者と二代目は違う」と沓沢氏は述べられました。人生はある程度決まったレールに乗せられてほぼ否応なし、それでも社長になったからには企業の継続、次へのバトンタッチを考えて行動していかなければならないとも語っておられました。今後どういった方向に進むかという相談相手は弟さんだそうですが、今別の仕事に就かれているというお子さん方が会社を手伝ってくれるような未来もあるのでしょうか。
報告の内容は会社に関する話題がほとんどだったためか、質問コーナーでは同友会との絡みについての質問がいろいろ出ました。沓沢氏は経営指針や経営革新を受けていますが、指針セミナーについては同友会に入会してすぐ受講したもののその後しばらく会社は厳しい経営状態が続き、経営革新後もやはり同じような状態で、「簡単にいくようなイメージとは違うんだな」という思いを持たれたそうです。また「東部の支部長を2年やってみて仕事に活かされたことはあるか」との問いについては、「とにかく時間を作るのがしんどかった」とのことでした。御父上には「だいぶメンタルを鍛えられた」とも言われておりましたが、それが様々な行事が重なって支部が大変な運営を強いられた期間、トップとして見事に支部を切り盛りできた秘訣なのかもしれません。
いろいろお話を伺って、沓沢氏のここまでのご苦労もさることながら、特に自動車販売業に関する既成観念がけっこう変わった印象のある報告でした。
沓沢社長、ご多忙の中ありがとうございました。
(記事 黒田 兼一)
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沓沢社長のご報告
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参加者からの質疑
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全員で記念撮影
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